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鹿児島フラウト・ドルチェ・アンサンブル 第12回定期演奏会
〜エンジョイ・アメリカン・ミュージック〜

鹿児島フラウト・ドルチェ・アンサンブル第12回定期演奏会ポスター
   とき:平成20年11月24日(月,休日)
       13:30開場,14:00開演
   ところ:生涯学習プラザ・男女共同参画センター
      (サンエールかごしま・2階)講堂(ホール)
        鹿児島市荒田1丁目4-1 (中洲通り沿い)

   入場料:800円(中学生以下無料)
   賛助共演:迫田耕三郎(ウクレレ奏者),久保園フラ教室

   ■チケットは会員からまたは主要プレイガイドにてご購入頂けます.
    当日販売もあります.

  後援:鹿児島市教育委員会,南日本新聞社,MBC, KYT, KTS, KKB


○ ポスター・チラシ
 ポスター・チラシ印刷用 pdfファイル(A4サイズ1ページ,約544 kB)
※ pdfファイルはアドビの Acrobat Reader(無料)で閲覧・印刷することができます.
  こちらで入手できます.

当日配布されたパンフレット
p.1 p.2 p.3 p.4
 
パンフレット印刷用 pdfファイル(A4サイズ4ページ,約420 kB)

■ 演奏会の模様(写真と解説)
※ 著作権の関係で音声データを掲載できないのが残念です.
第1ステージ


 


星条旗よ永遠なれ  作曲:J.P. Sousa,編曲:曽根圭司
(最初の曲は,積志リコーダーカルテットの曽根圭司さんの編曲による「星条旗よ永遠なれ」でした.楽譜を提供してくださった曽根さん,どうも有り難うございました)
 
 皆様,本日は鹿児島フラウトドルチェアンサンブル第12回定期演奏会にお越しくださいまして,誠に有り難うございます.定期演奏会は12回目なのですが,結成いたしまして15年目を迎えます.社会人のメンバーですので,職業とか性別とか個性とか様々なんですが,皆,リコーダーの素朴で暖かな音色に惹かれて集まって,アンサンブルの喜びを味わいたい,伝えたい.そう言う熱い思いで活動しております.
 
 今回のテーマは,「エンジョイ・アメリカン・ミュージック」.随所にアメリカの音楽をちりばめて,親しみやすく,楽しく,リコーダーの魅力満載の音楽を皆様にお伝えできれば,うれしく思います.
 
 第1ステージではアメリカの曲にかかわらず,どこかの機会に耳に触れたような親しみやすい選曲で,ラブソングを中心にお届けします.また,今回はウクレレやハワイの音楽を歌に乗せて,美しく踊るフラとの共演を試みてみました.
 
 そして,第2ステージではアメリカの音楽のルーツを振り返りながら,アメリカンミュージックをリコーダーのみの演奏でお届けします.どうぞ最後までごゆっくりお楽しみください.
 
 
 
(楽器紹介)ねこふんじゃった

 それでは,第1曲目を終えたところで,私たちが使用している楽器をご紹介したいと思います.まずはソプラノリコーダーとアルトリコーダーです.この高音のソプラノリコーダー2本とアルトリコーダー1本を使いまして,「ねこふんじゃった」をお聞きください.


(楽器紹介)スカボロフェアー

 続きまして,一回り大きな楽器の紹介にうつります.テナーリコーダーとバスリコーダーです.バスリコーダーには首が曲がったものと,吹きやすく管がついたものがあります.それでは,テナーリコーダーとバスリコーダーによる「スカボロフェアー」をお聞きください.

(楽器紹介)崖の上のポニョ

 では,小さい方の楽器を照会したいと思います.ソプラニーノリコーダーとクライネソプラニーノリコーダーです.クライネソプラニーノリコーダーはソプラノリコーダーの半分の大きさしかありません.それでは,この夏,何度も聞かれた曲をソプラニーノリコーダーとクライネソプラニーノリコーダーの2本でおおくりします.

(楽器紹介)イエスタディ

 私どもで使っている最も大きな楽器がグレートバスリコーダーとコントラバスリコーダーです.こちらもアンサンブルの低音をしっかりと支える重要な楽器です.それでは,低音楽器による4重奏,バスリコーダー2本とグレートバスリコーダー・コントラバスリコーダーによる「イエスタディ」をお聞きください.

篤姫のテーマ 作曲:吉俣 良

 では,以上の楽器を使いましてアンサンブルをお届けします.曲目は「篤姫のテーマ」.こちらの音楽は今年は至る所,いろんな編成でお聞きになられたことと思いますが,今回はリコーダーによる演奏をごゆっくりお楽しみいただきたいと思います.
 

小さな恋のメロディー 作曲:B.A. Gibb/M. Gibb

 続きまして,いろいろなラブソングをお届けします.最初はリコーダー3重奏です.

Love Me Tender 作曲:G. Poulton

 続いての曲は,アメリカの南北戦争の頃に作曲されたアメリカ民謡による「オーラリー」の詩を変えたものによります.南北戦争は奴隷制度に賛成する南部の州と,反対する北部の州との間に起こったアメリカ合衆国における内戦でした.今回は低音楽器であるバスリコーダー,グレートバスリコーダー,コントラバスリコーダーの3本でおおくりします.


Can't Help Falling in Love 作曲:L. Creatore/H.E. Peretti/G.D. Weiss

 さて,第1ステージの後半でリコーダーに加えてウクレレの演奏で花を添えてくださる迫田耕三郎さんをご紹介いたします.迫田さんは学生の頃にハワイアンの魅力に魅せられて以来,昭和36年に鹿児島で先駆けてハワイアンの演奏を開始した「田中ヤスタカとハワイアンパラダイス」のメンバーとして,数々のコンサートやダンスパーティーなど,精力的に演奏活動をされておられます.
 
 本日はウクレレ奏者としてお招きした迫田さんですが,バンドではボーカルを中心にご活躍されておられるそうです.まず,Love Me Tenderと同様にプレスリーが歌った曲,Can't Help Falling in Love をウクレレの弾き語りで演奏していただきます.甘い歌声をどうぞお楽しみください.

やさしさに包まれたなら 作曲:荒井 由美

 つづいて,ウクレレとリコーダー2本による「やさしさに包まれたなら」をおおくりします.

風になる 作曲:つじあやの

 つづいて,ウクレレとリコーダー3本による「風になる」をおおくりします.

アロハ・オエ 作曲:Q.L. Liliuokalani

 ここからは,ハワイアン・ソングをお贈りいたします.ハワイ州は1959年にアメリカ合衆国の第50番目の州となりました.1曲目はリコーダー4重奏による「アロハ・オエ」をおおくりいたします.


月の夜は 作曲:S.K.Bright

 さて,ここでもう1組の賛助出演者,久保園フラ教室の皆さんをご紹介いたします.久保園ヨオ子先生が主催されているフラ教室は鹿児島市で毎週開催されています.仲間作りと健康のために楽しみながら活動することをモットーに活動されていて,笑顔がとても素敵な皆さんです.
 
 それでは1曲目,久保園フラ教室の皆さん,ウクレレの迫田耕三郎さん,鹿児島フラウトドルチェアンサンブルによりますハワイアンのヒットナンバー,軽快なリズムが心を躍らせる「月の夜は」をどうぞお楽しみください.



カ・ノホナ・ピリカイ(涙そうそう) 作曲:K. Reichel

 さて,第1ステージの最後は「カ・ノホナ・ピリカイ」をおとどけします.この曲は日本人には「涙そうそう」で知られる名曲です.ハワイのトップシンガー,ケアリー レイシェルが日本の「涙そうそう」をハワイアンにアレンジし,大ヒットとなりました.
 
 第1ステージは数々のラブソングをお届けいたしましたが,「カ・ノホナ・ピリカイ」はレイシェルが祖母を思い,美しい故郷を思って歌った家族への愛がテーマとなっています.会場の皆様に暖かく大きな愛が伝わりますよう,ステージから一人一人が思いを込めてお届けいたします.
第2ステージ

God Bless America 作曲:I. Berlin

 第2ステージはアメリカに関係した音楽をメインにおおくりします.最初はテナーリコーダーのソロで「God Bless America」です.この曲はおそらくは国歌の次に頻繁に歌われている曲で,「America, the Beautiful」とともに独立記念日,メジャーリーグやフットボールの開幕式などのセレモニーで必ずといっていいほど歌われています.




「The Thirteen Colonies」より 作曲:D. Goldstein

 「Thirteen Colonies」とはアメリカ合衆国を最初に形成した北アメリカのイギリス13植民地のことで,アメリカを代表するリコーダーの作曲家の一人David Goldsteinによって1996年に書かれました.この曲はアメリカの歴史を語るにも,リコーダーアンサンブルを語るにも絶対外せない曲で,アメリカンミュージックがテーマの第12回定演プログラムでは,この曲抜きには考えられませんでした.前奏曲に続き、13の植民地の名前が付けられた組曲と、「出発」と題された終曲から構成されていますが,今回はこの中から次の7曲を抜粋しておおくりします.
  • コネチカット 舟歌(かつて水夫が作業中に歌った歌)〜「Johnny Come Down to Hilo」のリズムから
  • ペンシルベニア フォージ渓谷でのワシントンの祈り
     フォージ渓谷とはアメリカ初代大統領であるG. Washington が 1777〜78年の独立戦争中の冬にイギリス軍攻撃後に撤退し、野営をした所でPennsylvania 州南東部にあります.
  • サウスカロライナ 黒人霊歌(領主様,私たちはいつかこの強 大な川を越えます)
  • ノースカロライナ 白人霊歌(ほら,スズメが彼女の家を見つけた!)
  • ジョージア 囚人の植民地からの祈り(神の小羊)
  • バージニア ヴァージニアリール
  •  これは米国のフォークダンスの一種でアイルランドの移民がバージニアに伝えたカントリーダンスが原型となっているものです.
  • 終曲「出発」

アメージング・グレース イギリス民謡 編曲:山中 美代志

 次にアメリカ民謡を2曲お送りいたします.
 この曲は元々はイギリスの古い民謡を元にアメリカで詩が付けられたものという説がありますが定かではなく,おそらくはヨーロッパからの移民の移動に伴って,その曲がアメリカに伝わり,そこで,新しい言葉・歌が付けられてアメリカ民謡になったものと推測されます.リコーダー2重奏でお楽しみください.

Yankee Doodle(アルプス一万尺) アメリカ民謡 編曲:山中 美代志

 この原曲については,アイルランド民謡であるという説があります.詩を見てみると,カントリーハットを身につけ子馬に乗った若者が街にやってきたというマカロニウエスタンの内容になっており,アメリカ独立戦争の頃に作られました.この曲は,日本ではアルプス一万尺としてよく知られています.リコーダー4重奏でおおくりいたします.

ケンタッキーの我が家 作曲:S.C. Foster 編曲:磯崎 敦博

 次に,アメリカ人によって作曲された曲を2曲おおくりいたします.
 1曲目はアメリカ民謡の父といわれたフォスターの作品です.この曲はケンタッキー州の州の歌となっています.全体合奏でおおくりいたします.

Celtic Fancies 作曲:A. Charlton

 2曲目は「ケルティック・ファンシーズ」.10年ほど前になくなられたこの曲の作曲家であるアンドリュー・チャールトンは,数多くのギターとリコーダーのための曲を作曲していますが,めまぐるしく転調が行われるところが,彼の曲の特徴です.リコーダー5重奏でおおくりいたします.

ベツレヘムの小さな街 作曲:L.H.Redner,編曲:C. Peskin

 次の曲は「ベツレヘムの小さな街」です.これを編曲したキャロライン・ペスキンは,全米規模で組織されているアメリカリコーダー協会の副協会長を務めた方で,現在もオハイオ州のクリーブランドで活躍しています.一足早いクリスマスキャロルをお聞きください.

Maple Leaf Rag 作曲:S. Joplin,編曲:D. Betts

 次におおくりします「メイプル・リーフ・ラグ」.「ラグ」はラグタイムのことで,これはシンコペーションを特徴とする曲で,ここからジャズやブルースに進化していったものと考えられています.黒人であるスコット・ジョップリンはキング・オブ・ラグタイムといわれている人で,エンターティナーなど数多くの有名な曲を作曲しています.全体合奏でお聞きください.

アフリカン組曲第2番 作曲:S. Sieg

 この曲はアメリカ人の作曲によるものではありませんが,奴隷としてたくさんの黒人がアフリカから連れてこられました.そういう黒人たちが遠い故郷を思い出すとき,このアフリカン組曲の3つの楽章で歌われているような,サバンナの夜明けやまるで海のような大河,そしてたくさんの人々でにぎわう市場などの情景を思い出していたかもしれません.リコーダー3重奏でおおくりいたします.




America, the Beautiful 作曲:S.A. Ward

 さて,第12回定期演奏会を「エンジョイ・アメリカン・ミュージック」と言うテーマでお届けしましたが,プログラムも残すところあと1曲となりました.最近の話題で,様々な民族が混在して「人類のるつぼ」と言われるアメリカで,アメリカ史上初めて,黒人であるオバマ氏が大統領選に当選しました.「アメリカはこれまでも,あらゆるすべての人々が1つに団結した合衆国だったのです.」という演説はとても感動的でした.
 
 私事ではございますが,アメリカの地で数年生活し,現在と同じように仲間とともにリコーダーの演奏を続けてきました.日本を離れて,言葉の違い,文化の違い,信仰による価値観の違い、いつも不安や戸惑いが絶えなかった中で,自分が心から癒されたのは,リコーダーの仲間とともに吹いている瞬間であり,音楽について語ったり,新しい音を伝えたり,伝えられたりしている瞬間だったような気がします.それは,リコーダーという小さな楽器を通して,きっと音楽は世界中の人の心を一つにする力があるのではないかと思えた瞬間でもありました.
 
 本日ご来場くださった皆様,そして,今回の定期演奏会で共演できたウクレレ奏者の迫田耕三郎さん,久保園フラ教室の皆さん,一緒に演奏してきた仲間との出会いに感謝しながら,そして癒されるひとときを今後多くの方々にお届けできればいいなぁと思いながら,本日のコンサートの最後の曲「America, the Beautiful」をお届けしたいと思います.
 
 この曲は第2ステージ1曲目の「God Bless America」や国歌にならんで様々な場面で歌われ,多くの人々に慕われています.力強さを感じさせる「God Bless America」に対して「America, the Beautiful」はそのタイトル通り,美しいアメリカの象徴ではないかと思っています.
 
 それでは,私たちのリコーダーアンサンブルの演奏を通して,会場にいらっしゃるすべての方の心が一つになれますよう願いをこめて演奏いたします.本日はどうも有り難うございました.

(アンコール)星条旗よ永遠なれ  作曲:J.P. Sousa,編曲:曽根圭司

(アンコールとして最初に演奏した「星条旗よ永遠なれ」を演奏しました)